「夫婦の寝室を別にしたら、よく眠れるようになった」。そんな話を聞いたことはありませんか。
最近、こうしたスタイルが「睡眠離婚」と呼ばれて話題になっています。検索でも「夫婦 寝室 別 割合」「寂しい」「離婚率」といった言葉が一緒に調べられています。
結論から書きます。
- 睡眠離婚とは、夫婦やパートナーが、仲が悪いからではなく、よく眠るために寝室やベッドを別にすることです。 本当の離婚とは関係ありません。
- アメリカ睡眠医学会の2025年の調査では、成人の約3割(31%)が、パートナーに合わせて別のベッドや部屋で寝たことがあると答えています。
- いびきや寝る時間の違いで眠れないなら、一つの選択肢になります。ただし、いびきが原因なら、別室にする前に睡眠時無呼吸症候群などがないか確かめることも大切です。
睡眠離婚とは
英語の「sleep divorce」を訳した言葉です。「離婚」とついていますが、関係を解消するという意味ではありません。
アメリカ睡眠医学会(AASM)の担当医も、睡眠離婚は「別々のベッドや寝室で寝ること」を指すだけで、関係がうまくいっていないサインとは限らない、と説明しています。
形はいろいろあります。
- 寝室そのものを分ける
- 同じ部屋で、ベッドだけ分ける
- 平日だけ、またはパートナーの体調が悪いときだけ分ける
睡眠離婚する人の割合
アメリカ睡眠医学会が2025年に行った調査(成人2,007人)では、
- 成人の31%が、パートナーに合わせて別のベッドや部屋で寝たことがある
- 年代別では35〜44歳が最も多く39%、65歳以上は18%
という結果でした。働き盛りや子育て世代に多いのが特徴です。
寝室を別にする主な理由
いびき・寝言・歯ぎしり
いちばん多いのが、パートナーのいびきです。大きないびきは、隣で寝ている人の眠りを何度も浅くします。
→ あわせて読みたい:口テープでいびきは治る?効果なしと言われる理由と受診の目安
寝る時間・起きる時間の違い
夜型と朝型、夜勤や早朝勤務など、生活リズムが違うと、相手が寝床に入る音や目覚ましで目が覚めてしまいます。
寝返り・暑さ寒さ・明るさの好み
寝返りが多い、エアコンの温度の好みが違う、寝る前にスマホを見たい、など。小さなことでも、毎晩となると眠りに響きます。
子どもの寝かしつけ
子どもと一緒に寝る親と、もう一人が別の部屋で寝る、という形もよくあります。
睡眠離婚のメリット・デメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 相手のいびきや物音で起こされにくい |
| メリット | 自分のリズムで寝起きできる |
| メリット | 寝不足によるイライラやけんかが減ることがある |
| デメリット | 寂しさを感じる、会話やふれあいが減る |
| デメリット | 部屋や寝具が必要になる |
| デメリット | 相手の体の異変(呼吸が止まるなど)に気づきにくくなる |
人間ではなくマウスの研究ですが、東京大学のグループが2026年に発表した研究では、一緒に寝るか一人で寝るかで眠りの質がどう変わるかは、群れの中での立場や体質によって違った、と報告されています。「別にすれば必ずよく眠れる」とは言えず、人によって合う形が違うと考えたほうがよさそうです。
寝室を分けるときの話し合いのコツ
- 「よく眠るため」と目的をはっきり伝える: 相手を責めるのではなく、「お互いがよく眠れるように」と話す。
- 寝る前の時間は一緒に過ごす: 寝る前の会話の時間をとってから、それぞれの部屋に行く。
- お試し期間を決める: まず1〜2週間試して、どうだったか話し合う。
- 週末だけ一緒に寝るなど、組み合わせる: すべてを分けなくてもかまいません。
チェックリスト:別室にする前に確かめたいこと
パートナーのいびきが理由なら、次のようなサインがないか確かめてください。あてはまるときは、別室にするだけでなく、耳鼻科や睡眠外来での相談をすすめてみてください。
- ☐ いびきが毎晩、大きい
- ☐ いびきの途中で、息が止まっているように見える
- ☐ 本人が、日中に強い眠気を感じている
- ☐ 朝起きたときに頭痛がある、口がかわいている
- ☐ 自分自身が、寝不足で日中に困っている
自分の眠れない状態が続くとき、気分の落ち込みもあるときは、かかりつけ医や睡眠外来、心療内科で相談できます。
よくある質問
睡眠離婚すると、離婚率が上がりますか?
寝室を分けることが離婚につながるという、はっきりした研究は見当たりません。アメリカ睡眠医学会も、関係が悪いサインとは限らないとしています。
同じ部屋のままでできる工夫はありますか?
ベッドを分ける、掛け布団を別にする、耳栓やアイマスクを使う、などがあります。
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まとめ
- 睡眠離婚は、よく眠るために夫婦が寝室やベッドを別にすること。関係の破たんという意味ではない
- アメリカでは成人の約3割が経験。35〜44歳に多い
- 理由は、いびき、生活リズムの違い、寝具や室温の好み、子どもの寝かしつけなど
- 寂しさなどのデメリットもあるので、目的を伝えて、お試しから始める
- いびきが理由なら、睡眠時無呼吸症候群などがないかも確かめる
参考にした資料
- American Academy of Sleep Medicine. New survey data on “sleep divorce”(2025年、成人2,007人の調査)
- 東京大学大学院理学系研究科 林悠教授らの研究(Scientific Reports、2026年1月)
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」(睡眠時無呼吸症候群)
※この記事は、一般的な情報をまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。睡眠や体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



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