「年末調整の書類に、国民年金の控除証明書を付けてって言われたけど、まだ届いてない…」。この時期、こんな声をよく見かけます。
僕も気になって、国税庁と日本年金機構の資料を読んでみました。結論から書きます。
- 社会保険料控除は、その年に払った社会保険料の全額を、所得から引ける制度です。上限はありません。
- 2026年1月〜9月に国民年金保険料を払った人の控除証明書は、ハガキなら2026年10月下旬〜11月上旬、電子データなら10月中旬〜下旬に順次送られています。
- 自分の分だけでなく、生計を一にする家族の保険料を払った場合も、払った人の控除にできます。
- 会社員は、国民年金や国民健康保険を自分で払っている分を、年末調整の「保険料控除申告書」で申告します。
社会保険料控除とは
国税庁のタックスアンサー(No.1130)では、社会保険料控除は、自分や、生計を一にする(生活費を一緒にしている)配偶者や親族の社会保険料を払ったときに受けられる控除です。控除は、税金を計算するときに所得から引ける金額のことで、控除が大きいほど税金は少なくなります。
控除できる額は、その年に実際に払った金額、または給与や年金から差し引かれた金額の全額です。生命保険料控除のような上限はありません。
対象になる社会保険料
国税庁が挙げている主なものです。
- 健康保険・厚生年金保険の保険料(給与から引かれている分)
- 国民年金保険料・国民年金基金の掛金
- 国民健康保険の保険料(国民健康保険税)
- 後期高齢者医療制度の保険料
- 介護保険料
- 雇用保険料
会社の給与から引かれている健康保険や厚生年金は、会社が年末調整で自動的に計算してくれます。自分で申告が必要なのは、自分で払った国民年金や国民健康保険などです。
国民年金の控除証明書はいつ届く?
日本年金機構の案内では、2026年(令和8年)分の控除証明書は次のように送られます。
2026年1月1日〜9月30日に払った人
- 電子データ:2026年10月中旬〜10月下旬に順次
- ハガキ(書面):2026年10月下旬〜11月上旬に順次
2026年10月1日〜12月31日に初めて払った人
- 電子データ:2027年1月下旬から順次
- ハガキ(書面):2027年2月ごろ
電子データで受け取る設定をしている人には、ハガキは送られません。マイナポータルの「お知らせ」などを確かめてみてください。
届かない・なくしたときは再発行
日本年金機構のよくある質問では、控除証明書の再発行は次の方法で受け付けています。
- 「ねんきんネット」からオンラインで申請(マイナポータル経由なら電子データも選べる)
- ねんきん加入者ダイヤル、ねんきん自動音声送付受付サービス
- 年金事務所
電話や窓口で頼むときは、マイナンバーか基礎年金番号を用意しておくように案内されています。
なお、日本年金機構の案内では、年末調整では控除証明書などの添付が必要で、明細書で代わりにすることはできません。勤務先の締め切りに間に合わないときは、確定申告で申告する方法もあります。
家族の保険料を払った場合
たとえば、親が、大学生の子どもの国民年金保険料を払った場合です。国税庁のタックスアンサーでは、生計を一にする親族の社会保険料を払った場合も、払った人の控除の対象になります。
- 控除できるのは、実際に払った人
- 子どもの名前の控除証明書を、親の年末調整で使う
逆に、子ども本人の口座から払っている場合は、子ども本人の控除になります。
2年前納・1年前納したとき
国民年金保険料は、まとめて先に払う「前納」ができます。国税庁の案内では、2年分を前納した場合、次のどちらかを選べます。
- 払った年に、2年分の全額を控除する
- それぞれの年に、その年の分だけを控除する
年ごとに分ける場合は、日本年金機構から各年分の控除証明書が届きます。
いくら税金が少なくなる?
所得税が少なくなる額は、ざっくり「払った保険料 × 所得税率」です。
日本年金機構によると、国民年金保険料は2025年度が月1万7,510円、2026年度が月1万7,920円です。2026年1月〜12月に毎月払った場合は、次のとおりです。
- 1月〜3月:1万7,510円 × 3か月 = 5万2,530円
- 4月〜12月:1万7,920円 × 9か月 = 16万1,280円
- 合計:21万3,810円
所得税率10%の人なら、所得税は約2万1,000円少なくなる計算です。家族の分もまとめて払っているなら、その分も控除できます。
年末調整での書き方
会社員は、「給与所得者の保険料控除申告書」の社会保険料控除の欄に書きます。
- 社会保険の種類(国民年金、国民健康保険など)を書く
- 保険料を払う人(自分か家族か)と、自分との続柄を書く
- 今年払った金額を書く
- 国民年金・国民年金基金は、控除証明書を付ける
国民健康保険料は、証明書を付けなくても申告できますが、払った金額は市区町村からの通知などで確かめておくと安心です。
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まとめ
- 社会保険料控除は、払った社会保険料の全額を所得から引ける。上限なし
- 2026年1〜9月分の国民年金の控除証明書は、ハガキなら10月下旬〜11月上旬に順次届く
- 届かない・なくしたときは、ねんきんネットや電話、年金事務所で再発行できる
- 家族の分を払ったら、払った人の控除にできる。2年前納は「全額をその年」か「年ごとに分ける」かを選べる
この記事を書いた人の note
taiki612(Ktaiki)が、社会保険料控除で税金がいくら少なくなるかの早見表や、家族のだれの控除にするかの考え方を note にまとめています。
→ https://note.com/fast_ibis2078/n/n2a0208398ac6
参考にした資料
- 国税庁 タックスアンサー No.1130「社会保険料控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm
- 国税庁「2年前納された国民年金保険料の社会保険料控除について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenkin_zennou/index.htm
- 日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の送付予定をお知らせします」 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202609/0924.html
- 日本年金機構「控除証明書の送付時期はいつですか。」 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20141031-02.html
- 日本年金機構「控除証明書を紛失してしまったのですが再発行できますか。」 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20150317-01.html
- 日本年金機構「国民年金保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryo.html
※この記事は、2026年11月時点の公式資料をもとに、一般的な情報をまとめたものです。税金や制度の扱いは人によって異なります。くわしくは勤務先の担当者、税務署、税理士などにご確認ください。


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