睡眠について調べていると、「中途覚醒」「睡眠負債」「社会的時差ボケ」など、似たような言葉がたくさん出てきます。
この記事は、睡眠の用語を一言で説明する用語集です。気になる言葉だけ拾い読みできるように、1語ずつ「意味」を最初の1文に書いています。
- 最終更新日: 2026年10月30日
- くわしく解説した記事がある言葉には、リンクをつけています。
睡眠時間の目安(年齢別)
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で示されている目安です。
| 対象 | 目安 |
|---|---|
| 小学生 | 9〜12時間 |
| 中学生・高校生 | 8〜10時間 |
| 成人 | 6時間以上(個人差あり) |
| 高齢者 | 寝床にいる時間が8時間以上にならないように |
高齢者は「何時間寝るか」ではなく、「寝床で長く過ごしすぎない」ことが目安になっている点がポイントです。
眠りのしくみの用語
レム睡眠
レム睡眠とは、脳は活発に働いているのに、体の筋肉の力がほぼ抜けている眠りです。 目がすばやく動く(Rapid Eye Movement)ことから名前がつきました。夢をよく見るのはこの時間です。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠とは、レム睡眠以外の眠りで、浅い段階から深い段階まであります。 寝入りばなの深いノンレム睡眠は、脳と体の回復に大切だと考えられています。
睡眠周期(睡眠サイクル)
睡眠周期とは、ノンレム睡眠とレム睡眠の1セットのくり返しのことです。 一晩に数回くり返され、明け方に近づくほどレム睡眠が長くなります。
入眠潜時
入眠潜時とは、寝床に入ってから眠りにつくまでの時間です。 長すぎると「寝つきが悪い」状態です。
睡眠効率
睡眠効率とは、寝床にいた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合です。 寝床で長く起きていると下がります。
体内時計(概日リズム・サーカディアンリズム)
体内時計とは、約1日の周期で眠気や体温、ホルモンを調整する体のしくみです。 朝の光を浴びることで、毎日リセットされます。
メラトニン
メラトニンとは、暗くなると分泌が増え、体を眠りに向かわせるホルモンです。 夜に強い光を浴びると分泌が抑えられます。
睡眠圧
睡眠圧とは、起きている時間が長くなるほど高まる「眠りたい力」のことです。 昼寝を長くとりすぎると、夜の睡眠圧が下がって寝つきが悪くなります。
眠りの悩み・症状の用語
入眠困難
入眠困難とは、寝床に入ってもなかなか眠れない状態です。 不眠の症状のひとつです。
中途覚醒
中途覚醒とは、夜中に目が覚めて、そのあと眠りが続きにくい状態です。 短く目が覚めること自体は健康な人にもあり、困るほど続くかどうかがポイントです。
→ くわしく:夜中に目が覚めるのはなぜ?3時に起きる原因と毎日続くときの対策
早朝覚醒
早朝覚醒とは、予定より早く目が覚めて、そのまま眠れない状態です。 気分の落ち込みをともなうときは、うつ病のサインのことがあります。
熟眠障害
熟眠障害とは、時間は眠っているのに、ぐっすり眠った感じがしない状態です。
不眠症(慢性不眠障害)
不眠症とは、眠れない状態が続き、日中の生活に支障が出ている状態です。 国際的な診断基準では、週3日以上・3か月以上続くことが「慢性」の目安とされています。
睡眠負債
睡眠負債とは、少しずつの寝不足が借金のように積み重なった状態です。 本人は慣れたつもりでも、集中力や判断力は落ちていることが研究で示されています。週末の寝だめでは返しきれません。
→ くわしく:睡眠負債とは?症状と、寝だめで返せない理由・解消のしかた
社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)
社会的時差ボケとは、平日と休日の睡眠時間帯のずれによって起こる、時差ボケのような状態です。 休日の寝坊が、月曜のだるさの原因になります。
→ くわしく:月曜がだるい理由は休日の寝だめ?社会的時差ボケの症状と対策
睡眠麻痺(金縛り)
睡眠麻痺とは、レム睡眠中の「体の力が抜けた状態」のまま、意識だけ先に目覚めてしまう現象で、いわゆる金縛りです。 押さえつけられる感じや人の気配をともなうこともあります。
→ くわしく:金縛りはなぜ起こる?原因と解き方、何度も続くときの受診の目安
寝酒
寝酒とは、眠るためにお酒を飲むことです。 寝つきはよくなっても眠りの後半が浅くなり、夜中に目が覚めやすくなります。
睡眠の病気の用語
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っているあいだに呼吸が止まったり浅くなったりをくり返す病気です。 大きないびき、日中の強い眠気が代表的なサインです。
→ くわしく:口テープでいびきは治る?効果なしと言われる理由と受診の目安
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
むずむず脚症候群とは、夕方から夜に脚にむずむずした不快感が出て、動かさずにいられなくなる病気です。 寝つきを悪くする原因になります。
ナルコレプシー
ナルコレプシーとは、夜に眠っていても日中に強い眠気がくり返し起こる病気です。 笑ったときなどに力が抜ける発作や、金縛り、寝入りばなの幻覚をともなうことがあります。
概日リズム睡眠・覚醒障害
概日リズム睡眠・覚醒障害とは、体内時計のずれによって、望む時間に眠ったり起きたりできなくなる状態です。 極端な夜型で朝起きられないタイプなどがあります。
新しい言葉・話題の言葉
ショートスリーパー
ショートスリーパーとは、短い睡眠でも健康に過ごせる、ごく一部の体質の人のことです。 練習してなれるものではないと考えられています。
→ くわしく:「30分睡眠」は真似していい?ショートスリーパーの本当のところ
スリープマキシング
スリープマキシングとは、睡眠の質を最大限まで高めようとする、SNS発の睡眠最適化ブームのことです。 口テープやサプリ、睡眠トラッカーの活用などが広まりました。
→ くわしく:スリープマキシングとは?口テープの効果・デメリットと睡眠スコアの注意点
オルソソムニア
オルソソムニアとは、睡眠トラッカーのスコアにこだわりすぎて、かえって眠れなくなる状態を指す言葉です。 2017年に睡眠の研究者が論文で名づけました。正式な病名ではありません。
口テープ
口テープとは、寝るときに口にテープを貼り、鼻呼吸をうながす方法です。 いびきや睡眠時無呼吸への効果ははっきりしておらず、鼻づまりがある人には向きません。
サザエさん症候群
サザエさん症候群とは、日曜の夕方から夜に、翌日からの仕事や学校を思って憂鬱になる状態を指す俗語です。 医学的な病名ではありません。
→ くわしく:サザエさん症候群とは?日曜の夜に憂鬱で眠れないときの対策
リベンジ夜更かし
リベンジ夜更かしとは、昼間に自分の自由な時間がとれなかった分を取り返すように、寝る時間を遅らせてしまうことです。 中国のSNSで広まった言葉で、研究では「就寝先延ばし(bedtime procrastination)」と呼ばれます。眠れないのではなく、眠れるのに寝ない点が不眠との違いです。
→ くわしく:リベンジ夜更かしとは?やめたいのにやめられない理由と対策
睡眠離婚
睡眠離婚とは、夫婦やパートナーが、仲が悪いからではなく、よく眠るために寝室やベッドを別にすることです。 英語の「sleep divorce」の訳で、本当の離婚とは関係ありません。アメリカ睡眠医学会の2025年の調査では、成人の31%が経験ありと答えています。
→ くわしく:睡眠離婚とは?夫婦で寝室を別にする理由とメリット・デメリット
4-7-8呼吸法
4-7-8呼吸法とは、鼻から4秒で吸い、7秒息を止め、口から8秒かけて吐く呼吸法です。 寝る前のリラックス法として広まりましたが、睡眠への効果を確かめた研究はまだ少ないです。
→ くわしく:4-7-8呼吸法とは?やり方と効果、苦しいときのコツ・エビデンスはどこまで?
パワーナップ
パワーナップとは、日中にとる短い仮眠のことです。 厚生労働省の睡眠指針(2014)では、午後の早い時間に30分以内の昼寝が勧められています。
→ くわしく:パワーナップとは?効果的なやり方と何分がいいか・デメリット
コーヒーナップ
コーヒーナップとは、仮眠の直前にコーヒーなどでカフェインをとってから、15〜20分ほど眠る方法です。 カフェインが効きはじめるまでに20〜30分ほどかかるため、起きるころに効いて目覚めやすくなる、という考え方です。
→ くわしく:パワーナップとは?効果的なやり方と何分がいいか・デメリット
よくある質問
睡眠は何時間とればいいですか?
成人は6時間以上が目安です(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。必要な時間には個人差があり、日中に眠気で困らないかどうかも目安になります。
夜中に目が覚めるのは病気ですか?
短く目が覚めてすぐ眠れるなら、健康な人にもよくあることです。30分以上眠れない日が週3日以上・3か月以上続き、日中に困っているときは、医療機関で相談してください。
寝だめで睡眠不足は解消できますか?
一部は回復しますが、平日の不足分を週末だけで返しきることはできないことが研究で示されています。毎日少しずつ早く寝るほうが現実的です。
金縛りは霊のしわざですか?
いいえ。金縛りは「睡眠麻痺」と呼ばれる、眠りのしくみで説明できる現象です。
まとめ
- 成人の睡眠時間の目安は6時間以上。子どもはもっと長く、高齢者は寝床で長く過ごしすぎないことが目安
- 夜中に起きる「中途覚醒」、早く起きる「早朝覚醒」、寝つけない「入眠困難」は、どれも不眠の症状
- 寝不足の積み重ねが「睡眠負債」、休日とのずれが「社会的時差ボケ」
- 「サザエさん症候群」「オルソソムニア」「スリープマキシング」は病名ではなく、状態や流行を表す言葉
参考にした資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」(睡眠、不眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー)
- American Academy of Sleep Medicine. International Classification of Sleep Disorders, 3rd ed.
- Van Dongen HPA, et al. The cumulative cost of additional wakefulness. Sleep. 2003.
- Baron KG, et al. Orthosomnia: Are some patients taking the quantified self too far? Journal of Clinical Sleep Medicine. 2017.
- Sharpless BA, Barber JP. Lifetime prevalence rates of sleep paralysis: a systematic review. Sleep Medicine Reviews. 2011.
※この記事は、一般的な情報をまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。睡眠や体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



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